つるなしインゲンの水やり
乾燥には弱いため、土の表面を触って、乾燥しているようであれば水をあげましょう。
ただし、雨にも注意が必要です。開花時期に雨に当たると受粉が上手くいかず、実つきが悪くなってしまいます。そのため、日はあたるものの雨にはあたりにくい場所にプランターを置くのが理想的です。
同様の理由から、開花時期の水やりは高いところからやらずに、株元に水を与えるようにして、花が水に濡れないようにします。また開花時期は特に乾燥に弱いため、土の表面が乾燥することがないように特に注意を払いましょう。水分が不足していると、花が落ちてしまいます。開花時期には気温も高くなってきますから、敷き藁をするなどして土の表面からの水分蒸発を抑えることで、乾燥対策になります。
つるなしインゲンの追肥
つるなしインゲンはマメ科の植物ですから、根に根粒菌が付き、根粒菌が空気中の窒素を原料として作った肥料分を根から吸収しています。過剰な追肥は根粒菌の付きを低下させたり、茎と葉ばかりが成長して実がつかない「つるぼけ」状態を招いたりします。そのため、追肥は根粒菌の活力が弱まってくるまで待ちます。
花が咲き始める頃になると、根粒菌の活力も弱り始め、反対にインゲンの株はより多くの栄養を必要とするようになります。開花を目安に、化成肥料およそ10グラムを全体に散らすようにして与えます。追肥を行った後には軽く土寄せを行うと効果的です。初回の追肥以降は、2週間に1回を目安に追肥を行うようにしましょう。
つるなしインゲンの支柱立て
つるなしインゲンは、支柱がなくとも健全に育つ場合もありますが、丈がある場合には倒れやすくなります。また、台風などで強い風が吹くことが予想される場合には、支柱を立てて倒伏対策をすることができます。
つるなしインゲンの支柱は、70センチ程度のものを選びます。根を傷つけないよう、株元から少し離して支柱を立てましょう。支柱をしっかりと立てたら、麻紐を使って茎を支柱にしばりつけて支えるようにします。
つるなしインゲンの収穫
開花から10~15日で収穫適期となります。莢が13センチ前後の状態の若莢を収穫するようにします。収穫が遅れてしまうとみるみる硬くなって食味が悪くなってしまうため、早めの収穫を心がけましょう。
つるなしインゲンは連作障害を受けやすいため、過去3年のうちにマメ科の植物を栽培した土は使わないようにしましょう。毎年新しい野菜用培養土を購入すれば連作障害を気にせず栽培することができます。
連作を行うことで生育が悪くなるばかりか、病気の原因にもなりえます。
つるなしインゲンの害虫対策
つるなしインゲンにつく主な害虫はアブラムシとハダニです。アブラムシは初発なら粘着テープで捕殺しますが、大量に発生してしまった場合には粘着くん液剤やスミチオン乳剤を散布して対応しましょう。アブラムシはウイルス病を媒介することがありますので、特に注意が必要です。
ハダニにはマラソン乳剤を散布して対応しましょう。マラソン乳剤はハダニ以外にも、吸汁被害をもたらすカメムシ類やマメシンクイガにも適用があります。
つるなしインゲンの病害対策
ウイルス病はアブラムシによって媒介される病害で、一度発生してしまうと薬剤での治療は不可能です。株の先端から枯れたように色が悪くなり、しおれが徐々に株元に向かって進行していったり、葉にモザイク状に濃淡が現れる病態を示します。ウイルス病に感染した株は根元から抜き去り、すぐに処分しましょう。