トマトを種から育てる場合

トマトを種から育てる場合、まずはポットで育苗を行います。2~4月に種まきするのが一般的なスケジュールです。暖地では2月、冷涼地では4月に種まきすると、定植時にちょうど生育に適した気候になります。トマトの発芽適温は20~30℃ですが、屋外ではこの時期まだ気温が低いことがあるため、育苗は基本的に屋内で行います。また、屋内であっても室温が不足することがあるため、保温できる環境を用意するのが一般的です。

トマトを種から育てる場合に用意するもの

・トマトの種子

・育苗箱

・種まき用培養土

・ビニールポット、もしくはセルトレイ

・保温するためのもの(発砲スチロール箱やビニール)

トマトの種は種まき前日のうちにあらかじめ水に浸し、水分を与えておきます。ポットで育苗する場合、ポット1つあたり3~4粒、セルトレイの場合は1つあたり1粒ずつ種まきしましょう。種まきの深さはほんのわずかに土がかぶる程度で十分です。指先で土の表面に5mm程度のくぼみを作り、種を1粒落としたら指先でつまむようにして周囲の土をかぶせるようにしましょう。最終的には間引きを行って株数を3分の1から4分の1に減らしますので、欲しい株数の3~4倍の種をまくようにします。

種まきが済んだら水を与えますが、トマトの種は粒が小さく流れやすいため、勢いよく上から水をかけるのは厳禁です。たっぷりの水を、種が流れないようにやさしく与えましょう。

日中は日の当たる窓際などの暖かな場所に置き、夜間は日陰に移動させるようにします。育苗期間中は特に土が乾かないよう注意が必要なので、毎日の水やりは欠かせません。

1~2週間で発芽します。発芽後は3~4号ポットに植え替えて育苗します。あらかじめこの大きさのポットで育苗している場合は植え替えの必要はありません。

本葉が2枚になったら1度目の間引きを行います。生育の良いものを2株残すようにします。本葉が4枚になったら2度目の間引きを行い、生育の良い1株だけを残すようにしましょう。元肥入りの土を使用している場合、育苗期間中の追肥は必要ありません。

トマトの育て方

室内で育苗した苗、もしくは苗の状態で購入したものをプランターに植えつけます。植え付け時期は4~6月が適期です。日中で25℃、夜間で17℃程度の気温になるのを目安とします。

・プランター(幅:株数×30cm、奥行:30cm、深さ:30cmが目安)

・元肥入り野菜用培養土

・鉢底網、鉢底石

・支柱(細く短めの仮支柱、長めの本支柱)

・誘引用の麻紐

・野菜用化成肥料(追肥)

・スコップ、じょうろ等

まずは、鉢底石を鉢底網に入れ、プランターの一番底にセットします。プランターの底に穴がない場合や、排水用のすのこが付いているプランターの場合は不要です。次に野菜用培養土を入れていきます。土は鉢のふちから3cmほど下までにし、ウォータースペースを確保するようにします。ポットと同じ大きさになるように植え付け用の穴をスコップで掘ったら、苗を土ごとポットから取り出します。苗の根元を人差し指と中指で挟みこむようにしながらポットをひっくり返し、まるごとポットから取り出しましょう。苗を植えつけたら上から軽く押さえて土をなじませ、たっぷりと水をやります。最後に仮支柱を立て、麻紐でやさしく固定します。プランターは日当たりと風通しの良い場所を選んで置きましょう。

トマトの水やりは土の表面が乾いたら

もともとはアンデス高原に由来するといわれるトマトですので、多少の乾燥ではびくともしません。むしろ水分が過剰な状態に弱いため、土の表面が湿っていれば十分です。水やりは土の表面が乾いたら行うようにしてください。着果後に水分が過剰になると実割れの原因となってしまいます。

また、同様の理由から梅雨や台風など、大雨が続くことが見込まれる場合は雨を避ける必要が出てきます。大雨が続く予報が出たら、連日たっぷりと雨を浴びすぎないよう、雨が入ってきにくい場所に移動させてあげましょう。

トマトのわき芽は取り除く

トマトは枝葉の付け根から小さなわき芽が出てきます。これを放置しておくとわき芽の成長に栄養がとられ、花や実に行くべき栄養が奪われてしまいますので、わき芽は摘み取っておく必要があります。わき芽が3センチから5センチくらいの大きさになったのを目安に、指でつまんで取り除きます。

わき芽を取り除いた部分は傷口になりますので、わき芽はなるべく晴れた日の午前中のうちに摘み取り、その日の夕方には傷口部分が乾燥するようにすることで雑菌の進入を防ぐことができます。

取り除いたわき芽は土に挿しておくと発根するため、そこから新たに株を立てることができます。親株から取れたわき芽で株を立てると、長期的に収穫を迎えることができるようになります。ただし、冷涼地では夏が短く、すぐに涼しくなってしまうため、わき芽から株を立てる方法はあまり向いていません。暖地であれば、わき芽から次々と株を立て、周年収穫を続けることも可能です。

トマトの丈が出てきたら間引きを

本支柱と同じくらいの丈(1メートル50センチ前後)になったら、それ以上丈を伸ばさないようにします。茎の先端に葉を2枚残すようにして、その先を取り除きましょう。これを間引きとよびます。通常の場合、5~6段の花房が得られるはずです。

間引きを行うことで丈と着果数を制限することができますので、花と実にたっぷりと栄養を与えることができ、おいしく育つようになります。

トマトの実がついたら追肥

1段目の花房に実がついたら、追肥の時期です。肥料は直接触れると株をいためてしまうため、直接株や根にふれないようにします。株から20センチほど離れたあたりに溝を掘り、化成肥料を1株あたり10g程度を目安に与えます。根に肥料が直接触れないよう、溝はあまり深く掘り過ぎないようにします。

以降、2週間に1度を目安に追肥を繰り返しますが、株の状態を見ながら、栄養過多であれば追肥を見送り、栄養不足であれば追肥の回数を増やすようにします。栄養状態が適切であれば、トマトの葉はやや垂れ下がった状態になりますが、栄養過多な株では葉が内側に巻き、葉の表面に凹凸が現れ、緑色が黒く見えるほど濃くなります。逆に、栄養不足の状態では葉がバンザイするように上に向き、茎が細く、葉の色が淡くなります。栄養状態を判断するには、樹の先端から15センチ程度下までの範囲を参考にしましょう。

窒素が豊富な追肥を選ぶと樹勢が出すぎて、かえって実の成長が悪くなってしまいます。窒素よりもリン酸とカリが豊富な肥料を選びましょう。中にはトマト用の追肥も販売されていますので、利用するとよいでしょう。

トマトの収穫

品種にもよりますが、おおよそ開花から55日程度で収穫適期を迎えます。

ヘタのきわまでしっかりと色づいているもの、かんたんにヘタから外れてしまうものは完熟しています。完熟したトマトを放っておくと実割れしてしまいますから、完熟のサインを見逃さずに適期で収穫することが大切です。収穫するときはヘタの1センチ上あたりにはさみを入れましょう。このとき、ハサミは事前に消毒して清潔にしておき、切り口から病気にならないようにします。

果実を収穫したら、その下の葉を取り除いておくと病害虫予防になります。

また、収穫打ち切り後は株を整理し、同じ土でトマトを育てることがないようにします。トマトは連作障害を受けやすいため、同じ土で連作すると収量が徐々に落ちてしまいます。土を入れ替えるか、元肥を与えつつ違う作物の土として利用するようにしましょう。

気候が毎年違うように、ベランダ菜園も毎年同じように、とはいきません。去年は発生しなかったトラブルが発生する、ということは日常茶飯事です。もしトマトの生育で「おかしいな」と感じることがあったら、原因を探り、対策を練らなくてはいけません。

トマトの病気の尻腐れ病

トマトの病害の中でトップラスに発生頻度が高いのが尻腐れ病です。尻腐れ病では果実の尻の部分、つまり底部が黒く変色し、陥没していく病害です。発症してしまうとその果実は食べられなくなるため、すぐに摘み取って捨ててしまいましょう。

尻腐れ病の発生原因はカルシウム不足です。通常、野菜用の培養土には適切量のカルシウム、つまり石灰があらかじめ混ぜ込まれていますが、土を自作したり、前年使用した土に肥料を加えてトマトを栽培したという場合には石灰の絶対量が不足している可能性もあります。

また、土が酸性に傾いてしまうと石灰が含まれていても根からカルシウムを吸収するのが難しくなり、結果としてカルシウム欠乏状態に陥ってしまいます。過剰な肥料、特にチッソが過多な状態では土が酸性に傾きます。購入した培養土を使用して尻腐れ病が多発する場合には肥料が過剰である可能性があります。

カルシウムはそれほど水に溶けるわけではないため、根から吸い上げても末端まで届きにくい栄養素です。そのため、第1花房よりも第4・第5花房の方が発症リスクが高まります。第1花房で既に尻腐れ病が散見される場合は、対策を講じなければさらに上の花房も無事とはいかないでしょう。

石灰不足なら石灰を施し、チッソ過多の場合は追肥をいったん控える、といった対策が有効です。

トマトの病気のうどんこ病

うどんこ病を発症すると、うどん粉をふりかけたような白い斑点が葉に発生します。斑点が発生した箇所は次第に黄色くなり、組織が死んでしまいます。

うどんこ病はある種のかびによって引き起こされます。とはいえ、一般的なイメージのかびと異なり、高温と乾燥を好むタイプのかびのため、ある程度湿り気のある環境の方が発生リスクが低くなります。そのため、過度に乾燥しないよう、適度な水やりを欠かさないことがうどんこ病の予防につながります。

葉に現れる白い斑点はかびが表面に発生している状態です。この状態で水を与えたり雨が降ると、水によってかびの胞子が運ばれ、流れ落ちたり飛び散ったりした水滴を介して感染が拡大しますので、まずは感染した葉を物理的に取り除くのが効果的な対策になります。

感染の初期段階なら感染した葉をつみとるだけで回復しますが、進行している場合には葉をつむだけでは不十分です。この場合は何らかの薬剤に頼ることになります。

ホームセンターなどでトマトのうどんこ病に適用のある薬剤を購入して散布しましょう。

トマトの害虫のハモグリバエ

ハモグリバエは葉の内側に産卵し、孵化した幼虫が葉の内側を食べながら移動するため、葉が傷んでしまいます。ダメージが深刻な場合は葉が枯れることもありますので、野放しにしてはいけません。

発生がごくわずかな場合には、物理的な駆除も有効です。幼虫が葉を食害した部分は白く変色しますが、幼虫が食べ進んだ経路をたどると先端に白く小さな斑点を見つけられます。幼虫はこの部分にいますので、爪楊枝などを使って潰して駆除します。

発生が多い場合には殺虫剤を散布して対応します。

トマトの害虫のアブラムシ

アブラムシ1匹1匹は数ミリという非常に小さな固体ですが、同時に大量に発生して植物から汁を吸うため、場合によっては株を枯らしてしまうこともありえます。

発生がまだ少ないうちは、粘着テープで捕らえるなど、物理的な排除が可能です。大量に発生してしまった場合には殺虫剤を散布して対応します。

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