レモンの収穫方法
摘果・摘蕾
摘果・摘蕾を行う目的は大きく分けて2つです。
1つは、株全体の着果数を制限して、実の太りをよくするため。もう1つは枝の伸びをよくするためです。着果させなかった枝は栄養が実にとられることがなく、伸びが旺盛になります。特に植え付け後2~3年目までは枝を育てることも重要ですから、伸ばしたい枝に実をつけない管理も大切になります。
枝に実をつけないと決めた場合は、芽のうちにあらかじめ除いてしまうことができます。
レモンは1ヶ所にたくさんの蕾をつけますが、株の大きさに応じてつける花の数を決定し、多すぎる蕾はみずから落とすことができる作物です。全ての蕾が開花することはないので、蕾の段階であらかじめ1~2個の蕾を残すようにして摘蕾して構いません。
また、レモンは年に3回花を咲かせますが、冬や春のうちに咲く花で実をつけてしまうと株への負担が非常に大きくなります。6月ごろに咲いた花からのみ実を育てるようにしましょう。冬や春の花は蕾のうちに摘み取っても構いませんし、花を楽しんだあとに摘み取っても構いません。
株全体の着果数を制限する場合は、着果してしばらく経った後の自然落果を待ってから作業を行います。自然落果が起こる前に摘果してしまうと、予定していた数よりも着果数が少なくなってしまうこともありえます。そのため、自然落果が一通り終わるまで、7月中旬~下旬までは摘果作業を待ちましょう。
実の太りが遅い場合は、株に対して着果数が多すぎます。形の悪いものや大きさが小さいものから順に摘み取りましょう。
人工受粉の必要性
レモンは香りの強い作物なので、ベランダで育てていれば香りに誘われて虫が訪れ、受粉を手伝ってくれることが多いです。
しかし、マンションの高層階で栽培している場合や、屋内で育てている場合には人工受粉が必要です。レモンは1つの花のなかにおしべとめしべがついています。花が開いたら、花の内側で円を描くように乾いた筆をくるくると動かせば受粉が行われます。人工受粉は朝のうちに行うようにしましょう。
収穫
開花からおよそ6ヶ月で収穫の適期を迎えます。
収穫する時には1~2枚の葉をつけるようにして、ハサミで枝から切り落とすようにして収穫します。
レモンの害虫対策
レモンのような柑橘類に発生しやすいのがカイガラムシです。吸汁して栄養を奪われてしまうため、見つけ次第処理が必要です。捕殺で間に合わない場合には家庭園芸用のマラソン乳剤を散布します。
また、アゲハチョウの幼虫は葉を食害します。大きめの幼虫になると葉を食べるスピードも早く、見逃していると一気に葉がなくなってしまうため、なるべく発生初期に捕殺するのがポイントになります。
レモンの病害対策
レモンで最も注意が必要な病害はかいよう病です。かいよう病は葉から広がります。風で葉がこすれあってできた小さな生傷から病原菌が侵入することで、ランダムに斑点様の病斑を形成します。
物理的な防除方法として、防風があります。周囲に遮蔽物が少ない場所は避けるようにしましょう。また、強風が吹く日だけ屋内に避難するという策もあります。
もしかいよう病が発生してしまったら、発生初期のうちにサンボルドーを散布しましょう。