初心者にも育てやすい野菜とは
家庭菜園で育てられる野菜は数多くあります。せっかく野菜を育てるなら、自分が好きなものを、と思うかもしれませんが、初心者が注目すべきは、その野菜が育てやすいかどうかです。
品種改良が進み、初心者でも比較的簡単においしい野菜を育てられるようになってきていますが、それでも、野菜の種類によって栽培の難易度は大きく変わってきます。買ってきた苗が野菜を実らせなかったり、実らせても味がよくなかったりすると、せっかくの努力が無駄になってしまいます。ガーデニングのモチベーションを高めるためにも、育てやすい野菜を選ぶことは重要です。
「育てやすい」とは、具体的には、耐病性が高いこと・害虫がつきにくいこと・水や肥料やりの手間が少ないことの3点です。
耐病性が高いとは、病気になりにくいという意味です。野菜に限らず植物は、手入れを怠ると病気になってしまいます。すぐに対処しないとほかの植物に感染したり、枯れてしまったりします。耐病性が高い品種は、病気の発生や感染を防ぐ対策をあまりしなくても病気にかかりにくいため、初心者にも負担なく育てられます。
害虫がつきにくい野菜を選ぶことも大切です。野菜には、アブラムシやアオムシ、ダニなど多くの種類の害虫が寄ってきます。葉っぱを食べるだけでなく、せっかくできた実を食べてしまう虫もいるため、見つけ次第すぐに駆除する必要があります。日当たりと風通しを良くすること、さらに農薬を使用することで害虫を遠ざけられますが、もともと害虫がつきにくい野菜を選べば、対策の手間を最小限にできます。
水や肥料やりなど、普段の世話の手間が少ないことも初心者には重要です。野菜の中には、育つ過程で水や肥料を大量に消費するものがあります。例えばキュウリは、特に夏場は大量に水を消費するためこまめな水やりが欠かせません。トウガラシやパプリカは大量に肥料を必要とし、肥料が切れると花が落ちてしまいます。水や肥料やりなどの世話はどの野菜でも必要ですが、万が一忘れてしまっても簡単に枯れないものを選ぶといいでしょう。
以上の条件を満たす、初心者におすすめの野菜を3つご紹介します。
初心者におすすめの野菜のミニトマト
初心者に人気のミニトマトは、栽培の手間がかからないのがポイント。乾燥を好むため、水やりを頻繁に行う必要はなく、肥料が足りなくても発育不良を起こすことがありません。水やりは葉が少ししおれたら行ないましょう。肥料は、与えすぎると実がならなくなるので注意しましょう。
ミニトマトは、かかる病気の種類が多い野菜。しかし、人気が高い野菜のため、品種改良が進んでおり、耐病性の高い品種も多く出回っています。また、ホームセンターなどで、すでにいくつか実がなった苗が売っている場合があります。そのような苗は病気になる可能性が少ないため、練習として最初はそれを購入してもいいでしょう。
ミニトマトの葉や茎には毒がありますが、それでも害虫はついてしまいます。乾燥しすぎたり、肥料が多すぎたりすると害虫がついてしまうので、適切な水やりと肥料やりを心がけましょう。
初心者におすすめの野菜の枝豆
枝豆も、簡単に育てることができます。日当たりを確保すればほとんど病気にかかることがありません。夏になると、葉っぱや実に害虫がつきやすいのですが、ネットをかけることで虫の侵入を防ぐことができます。害虫が病気を運んでくる場合もあるので、害虫対策はしっかり行ないましょう。
枝豆は肥料がほとんど必要ありません。始めに苗を植えるときと、花が咲き始めてから一回与えれば大丈夫です。水やりは、土が乾燥したら行ないましょう。開花後に水やりの量を増やすことで、実のつきがよくなります。
初心者におすすめの野菜の葉ネギ
薬味として重宝する葉ネギも、初心者におすすめの野菜です。種からでも簡単に育てられ、年に何回も収穫することができます。さらに、かかる病気も少なく、匂いがあるため害虫も寄せ付けません。
葉ネギはかなり強い野菜です。発芽するまでは頻繁に水をやる必要がありますが、発芽してからは少ししおれてしまっても、水を与えればすぐに復活します。肥料は基本的に、最初に植えるときにだけ与えます。生育が悪いと感じたときにだけ、追加で肥料を与えましょう。