他の記事でも「サボテンは多肉植物の仲間」と書いてあることは多々あると思いますが、果たして本当にサボテンと多肉植物は同じ仲間なのでしょうか。サボテンは針がありますが、多肉植物には針がありません。しかし針無しのサボテンやとげがある多肉植物も多く存在します。一体どんな違いによってこの二つは差別化されるのでしょうか。この記事ではサボテンと多肉植物の違いや同じように扱ってよいのか、二つの共通点などについてご紹介いたします。
サボテンについて
サボテン科であるサボテンはびっしりと生えている針が特徴的で一般的には多肉植物といわれています。乾燥に強くて丈夫な品種が多く、茎の中に水と養分を溜めることのできる性質があります。しかし園芸関係の本にはわざわざ多肉植物・サボテンと表記されることが多いですが、これはサボテンだけでも品種が2000を超えているためにそう言われていると考えられます。
多肉植物について
多肉植物は葉や茎の肉厚な部分に水や栄養をため込む作りになっていますが、これは栄養や降水の少ない地域に自生しているためにこのような形になったと言われています。細かく分類分けされることが多いですが、園芸用の品種を足すとその数は20000を超える種類が世界中で育てられています。サボテンに比べて色と形が個性的なものが多いです。
サボテンと多肉植物が分類される基準
はじめに書いた通りつるつるでトゲの無いサボテンや、ハリのある多肉植物も存在するため針で分けられているわけではないことは確かです。では二つの違いについて考えてみましょう。
まず、サボテンと呼ばれるものには必ず「視座(アレオーレ)」という物が存在します。これはトゲの付け根に存在する綿毛で、サボテンに必ずついています。トゲの無いサボテンにも本来針があるはずの部分の根元に視座は残っているためこちらが決定的な違いになるでしょう。トゲのある多肉植物にはこちらは見られません。
もう一つは生息地の違いで、サボテンの主な原産地は南北アメリカになりますが、多肉植物はアフリカ大陸を中心として世界中で自生しています。そのため多肉植物には主に3つの生育サイクルに分類されますが、サボテンは夏型のもののみになります。夏型の多肉植物とサボテンの寄せ植えはとても可愛らしく演出できるため多くの方が使っています。これにより育て方も違うと言えるでしょう。
日当たりが良く乾燥した環境が好きという点と葉や茎に栄養や水分を溜められることは両者共通しており、特に後者の特徴は見た目が通常の植物と変わっているため同じものと思われるのでしょう。
サボテンと多肉植物の関係
結局サボテンは多肉植物の仲間かといわれたら正確な答えは出ませんが、一般的にはそう認識されておりサボテンも肉厚な茎でできているため多肉植物に含めても良いと思います。厳密に言うと別物になってしまうかもしれませんが、わかりやすく認識するために分けて呼ばれているので、あまりこだわる必要もないかと思います。しかし成長期など異なる点もいくつか存在してそれにより育て方や水やり・肥料を与えるタイミングが変わってきますので、何を育てるにしろ一度事前にどんな環境を好むか、どのような生育サイクルで育っていくのかを知っておくことが大切です。