ベランダ菜園で育てやすいおすすめの外来野菜は、セロリとクレソンの2種です。この2種類の野菜は日本の食生活の中で認知度も高く、身近に取り入れることができる外来野菜です。
戦後に広まった外来野菜のセロリ
セロリは、セリ科オランダミツバ属の外来野菜です。セロリの栽培は16世紀のイタリアで始まったと伝えられていますが、日本に渡来してきたのは江戸時代です。セロリは加藤清正によって江戸時代に持ち込まれたので、当時は「清正人参」とも呼ばれていたと伝えられています。
欧米では、古くからセロリを肉などの「臭み消し野菜」、あるいはスープや煮込みの「煮込み野菜」として使われてきましたが戦前の日本ではセロリの独特の臭いがあまり受け入れられなかったので、戦前はあまり普及しなかった野菜です。しかし、第2次世界大戦後の日本では欧米の食文化が盛んに入ってくるようになり、次第にセロリも料理の食材として使われるようになり、国内需要も高まっていきたので、本格的にセロリが栽培されるようになりました。
スーパーマーケットや八百屋さんで売れられているセロリは、複数の品種のものが販売されています。一般的に市場で販売されているセロリは、コーネル系と呼ばれている品種です。この品種は、茎に厚みがあり、葉の色は薄黄緑色をしています。グリーンセロリ系の品種にはセロリ独特の香りがあり、茎が緑色をしているミニタイプのセロリがあります。ホワイトセロリ系の品種の中には、水耕栽培によって作られた「ホワイトミニセロリ」と呼ばれる名前で販売されてい品種もあります。セロリは、欧米だけでなく中国で生産されている「スープセロリ」や「芹菜」と呼ばれている品種もあります。
セロリは独特の香りとシャキシャキとした食感があるため、生でサラダに使ったり、煮込み料理などでも使ったりすることができます。また、一株のセロリをベランダ菜園で育てると、料理の脇役としても使えるので重宝する野菜です。また、セロリは、豊富なビタミンやミネラルが含まれているので、健康に良い野菜です。特に葉の部分に含まれているβカロテンは、茎より2倍も多く含まれています。セロリの独特の香りは苦手な人も多いですが、「アピイン」や「セネリン」と呼ばれているストレス緩和に効果が期待されている成分が含まれています。
ベランダ菜園でおすすめのセロリの品種は、「トップセラー」、「コーネル619」、「スープセロリ」などです。セロリの香りが苦手な人は、香りが少ないコーネル系の品種がおすすめです。また、ベランダ菜園でスペースをあまり必要としない品種はミニタイプの「ミニホワイト」です。
明治時代頃から広まった外来野菜のクレソン
クレソンはヨーロッパ原産の外来野菜ですが、別名「オランダ水がらし」とも呼ばれ、日本には明治時代に渡来してきました。また、日本でクレソンは、主に河川敷や里山に流れている小川の川べりなどに自生しています。
クレソンは繁殖職が強いので、水につけておくだけで茎の部分から新しい根が出てきます、スーパーなどで販売されているクレソンは自生しているものではなく、栽培されているものがほとんどです。
クレソンは、大根に似た苦みと独特の香りがあるので、苦手な人も多い野菜です。また、クレソンは、料理の添え野菜やサラダなどに使われています。肉料理の添え野菜として使われる場合は、クレソンの辛味が肉の脂のしつこさを緩和してくれる西洋わさびと同じ効果が期待されています。。
セロリとクレソンは癖のある野菜ですがベランダ菜園では、プランターを使って育だてることができるので、おすすめの外来野菜です。