ベランダ菜園で育てやすく欧米で人気のあるおすすめの珍しい野菜は、「テーブルビート」と「アーティチョーク」の2種です。の2種の野菜は、スーパーマーケットや八百屋などであまり出回っていないないので、ベランダ菜園で育てると手軽に食材に使うことが出来ます。
育てやすくて珍しい野菜「テーブルビート」
「テーブルビート」は日本人にとってあまり聞きなれない名前の野菜ですが、ベランダ菜園で育てやすい野菜です。緑色の野菜が多いベランダ菜園にテーブルビートが一株あると、ベランダ菜園が色鮮やかな菜園に変わります。
また、テーブルビートはスーパーマーケットや八百屋でもあまり見かけない珍しい野菜ですが、ロシア料理のボルシチに欠かすことができない野菜です。テーブルビートはショ糖を多く含んでいるので同じ仲間の野菜として、お砂糖の原料になる甜菜があります。ベランダ菜園で育てやすいテーブルビートの品種は、「デトロイドダークレッド」や「びートルート」です。
原産地が地中海沿岸のテーブルビートは、和名が「火焔菜」(かえんさい)と呼ばれているアサガ科フダンソウ属ビートの根野菜です。テーブルビートが日本に渡来してきた時代は江戸初期と伝えられていますが、当時の日本ではあまり知られていない野菜でした。しかし、テーブルピートは次第に世界各地で栽培されるようになったので、親しまれる野菜になりました。
テーブルビートは、主に根茎の部分を料理に使いますが赤い筋が入っている若い緑の葉は、ベビーリーフとしてサラダなどで使われています。テーブルビートの根茎の部分は、日本の白いかぶと同じぐらいの大きさをしています。テーブルビートを輪切りに切ると、その断面には年輪のような模様があります。
テーブルビートの赤紫の色は、「アントシアニン」ではなく「ベタライン類」と呼ばれている植物性の色素です。この色素は、赤紫色の「ベタシアン」と黄色の「ベタキサンチン」が一緒になって赤紫色になっています。この赤紫と黄色の色素のバランスによって、色とりどりのテーブルビートの品種が複数誕生しています。また、テーブルビートは、他の根野菜に比べて鉄分を多く含み、柔らかくて水分が多く、甘みがある野菜です。サラダやシチューなどのカブを使う料理におすすめの野菜です。
育てやすくて見慣れない野菜「アーティチョーク」
地中海沿岸が原産地の「アーティチョーク」は、自生しているアザミを大きくしたような姿をしています。また、アーティチョークは、欧米では人気のある野菜ですが、別名「朝鮮あざみ」と呼ばれている多年草です。アーティチョークは、日本に自生しているアザミとは属名も異なります。
アーティチョークは15世紀のイタリアで本格的に栽培されるようになり、その後ヨーロッパ各地に広がり、やがて米国に伝わっていきました。日本には江戸時代にオランダから渡来してきましたが、当時の日本では食用としてあまり受け入れられなかったので、「観賞用の植物」として広まっていきました。
アーティチョークの食用部分は、花が咲く前の蕾の「萼」の付け根と花托の部分だけです。味に苦味が少しありますが、芋類やユリ根に似た食感があります。食べ方は、アーティチョークの蕾の部分を塩で茹でて、一枚ずつ「萼」を外側から剥がして「がく」の付け根や内側の部分を食べたり、他の料理の付け合わせ野菜として使われたりしています。食用にする蕾の部分は、鮮やかな黄緑色でしっかりしています。また、葉と根の部分はお茶にして煎じて服用すると、生活習慣病の改善に効果があると言われています。
テーブルビートとアーティチョークは、日本であまり見かけない珍しい野菜ですが、ベランダ菜園でも育てやすく、どちらも欧米では人気のある野菜です。