緑色が中心のベランダ菜園をカラフルにしてくれるおすすめの果菜類野菜は、パプリカとスイートチャードの2種です。
カラフルな果菜類野菜のパプリカ
パプリカはナス科トウガラシ属の果菜類野菜ですが、獅子唐辛子と同じ唐辛子の仲間です。また、パプリカやピーマンは同じトウガラシ科の果菜類野菜ですが、辛味がある唐辛子の仲間と異なり形もふっくらとして辛味がなく、甘みがあります。また、パプリカはβカロテン、ビタミンC、食物繊維などが豊富に含まれています。
パプリカの最初に生り始めた実は、ピーマンと同じような緑色をしていますが、種類によって次第にオレンジ色や赤色に変化していきます。緑色、あるいはオレンジ色や赤色をしている時でも甘みがあるので、生でも美味しく食べることができます。パプリカは、カラフルな色をしているため、パプリカを加えるだけでお料理の彩が鮮やかになります。また、ピーマンのような青草さや苦みがないので、炒め物、ピクルス、サラダ、マリネなどに使われています。パプリカは調理をする際、外側の皮を直火で炙り、表面を焦がして皮を剥がすと、甘みが倍増します。また、パプリカはピーマンより肉厚なのでピューレ状にしたり、ピクルスにしたりして、お料理に使うことができます。
パプリカは、ヨーロッパで品種改良されたベル型と呼ばれる種類です。パプリカの生産が多い国は、ハンガリー、スペイン、そしてオランダです。また、世界の市場に出回っているパプリカの多くは、オランダ産が主流でした。しかし、近年、季節が真逆の韓国とニュージーランドでパプリカ栽培が盛んに行われるようになってきたので通年を通して日本に輸入されるようになり、パプリカの安定供給に貢献しています。現在、日本の市場に出回っているパプリカの約8割位は海外から輸入されています。その主な輸入先は、ニュージーランド、韓国、オランダなどです。
また、近年日本の国内収穫量も増加の一途を辿っています。パプリカの旬である夏は、露地栽培が盛んに行われています。特に宮城県、茨城県、熊本県は、パプリカの栽培が盛んに行われています。
葉や葉柄がカラフルなスイートチャード
スイートチャードは、アカザ科フダンソウ属の葉物野菜です。日本名は「不断草」と呼ばれています。スイートチャードと同じ野菜の仲間には、リーフビート、テーブルビートや甜菜などがあります。生長するとホウレンソウより大きくなり、株元や葉柄がしっかりしてきます。スイートチャードは、葉の色が赤、桃色、黄色、黄緑、白などカラフルな色彩が豊だけでなく葉に光沢もあるので、ベランダ菜園の観賞用野菜としても人気があります。
日本で栽培されているスイートチャードの品種は、葉に緑色の縁がある昔からから栽培されてきたもタイプのものです。この品種は栽培されている地域によって呼び名も異なります。例えば、京都では「うまい菜」とも呼ばれています。欧米でスイートチャードは、サラダに欠かすことが出来ない野菜です。また、スイートチャードの葉が小さいものは、ベビーリーフとしてサラダなどに使われています。
スイートチャードに含まれている豊富なβカロテンは免疫力を強くしたり、抗発がん作用に効果があると言われています。また、視力維持、皮膚の健康維持、呼吸器系の健康維持、生活習慣病の予防などをしてくれる働きも期待されている野菜です。
色彩がカラフルなパプリカとスィートチャードは、栄養も豊富だけでなく、緑色の多い殺風景なベランダ菜園のスペースを明るくしてくれる夏野菜です。