夏でも育てられる野菜はたくさんある
野菜の栽培が最も簡単な時期は春です。気候が安定しており、害虫もまだ活発に動き出さないため、初心者でも比較的失敗なく野菜を育てることができます。夏は、春に植え付けた野菜の収穫が終わり、家庭菜園が一段落する季節です。この時期は、土を休ませ、秋の植え付けのための準備期間とすることもあります。しかし、この時期に栽培を休むと、秋に野菜を収穫することができません。1年中新鮮な野菜を食べたいと考えるなら、夏にもぜひ種まき・植え付けを行いましょう。
夏は、春に比べれば栽培できる野菜は多くありませんが、それでも、葉野菜や根野菜を中心に、育てられる野菜はたくさんあります。暑さ対策や害虫対策をしっかり行えば、初心者にも決して難しくありません。
夏に栽培したい野菜を3種類後紹介します。
夏に栽培したい野菜ニンジン
ニンジンは種から育てることが普通です。種をまく時期は春と夏ですが、夏にまいた方が簡単に育てられます。ニンジンは収穫まで80日から100日ほどかかるため、春にまいた種は害虫が活発な時期に生長していきます。一方、夏にまいた種が収穫できるのは害虫被害が少なくなる11月ごろなので、栽培難易度が下がるのです。具体的な種まきの時期は、7月中旬から8月下旬です。ニンジンは、発芽の適温が15度から20度と高めのため、春まきより夏まきの方が生長も早くなります。
根野菜であるニンジンは移植に弱いため、植え替えはせず、最後まで同じコンテナで育てます。栽培する量に応じて、植木鉢なら深さが25cm以上のものを、プランターなら60cm以上のものを使用しましょう。種は、発芽率を上げるため一晩水につけておきます。種をまいたら土を軽くかぶせて、たっぷり水やりします。種が流れ出ないように、ジョウロのハス口を上に向けて水やりしましょう。
間引きは、本葉が1,2枚になった時、3,4枚になった時、5,6枚になった時の合計3回行い、最終的に株間が10cmになるようにしましょう。肥料は、2回めと3回めの間引きの後に与えます。根元が3,4cmの大きさになったら収穫の時期です。
夏に栽培したい野菜芽キャベツ
芽キャベツも、ニンジンと同じように春まきと夏まきがあり、夏まきの方が簡単に育てられます。種まきは7月下旬から8月上旬に行います。苗は8月下旬から10月中旬にかけて行います。収穫は、植え付けのタイミングにもよりますが、11月から翌年3月ごろの中の2ヶ月間ほど行えます。ここでは苗からの育て方をご紹介します。
苗は、色が濃く、茎が太いものを選びましょう。植木鉢は深さ30cm以上、プランターは幅60cm以上の深型のものを使います。株間は40cm以上取る必要があります。植え付けのタイミングで支柱を立てます。
芽キャベツは乾燥に弱いため、朝か夕方の涼しい時間に水をたっぷり与えましょう。肥料は2週間おきに与えます。苗の頃は株元近くに、大きくなってからは株からなるべく離した場所に置きます。
芽が2,3cmほどの大きさになったら収穫のタイミングです。手かハサミを使って収穫しましょう。
夏に栽培したい野菜スティックセニョール
スティックセニョールとは、ブロッコリーの一種で、細長い茎とアスパラガスのような甘みのある味が特徴の野菜です。茎ブロッコリーとも呼ばれています。種も苗も出回っていますが、ここではより簡単な苗からの育て方をご紹介します。
植え付けの時期は8月上旬から9月下旬にかけてです。栽培には40cm以上の深型のプランターを使用しましょう。苗の土が少し見えるくらい浅めに植え、支柱を立て、ゆるく結びます。植え付けが完了したら水を与え、その後は土が乾いてから水をたっぷり与えましょう。スティックセニョールは多湿を嫌うので、水のやりすぎには注意しましょう。
スティックセニョールは肥料を大量に消費します。半月に1度の割合で株元に触れないように肥料を撒きます。収穫後にも肥料を与えましょう。
茎の側面に現れる蕾を収穫するので、主枝の頂点にある蕾は取り除いてしまいます。植え付けから50日ほどで側枝20cm以上になったら収穫の時期です。切り口に水が溜まらないように、茎を斜めに切って収穫しましょう。