家庭菜園の天候対策について
野菜は、収穫まで数ヶ月かかるものがほとんどです。気候が安定している時期に栽培を開始しても、暑さや寒さが厳しい時期や、雨が多い時期を乗り越えなければ野菜は収穫できません。野菜の中には、まだ弱い苗の時期や収穫の時期と、厳しい気候の時期が重なるものもあります。被害を受けた後に対応することは大変です。毎日の天気予報チェックをして、先手先手の対応を行いましょう。
おいしい野菜をたくさん収穫するためには、その野菜のもつ耐寒性や生育適温などの性質をよく理解した上で、適切な天候対策を行うことが大切です。
一般的な野菜の天候対策についてご紹介します。
家庭菜園の梅雨対策
日照時間が少なく、気温も低くなりがちな梅雨の時期は、野菜にとって厳しい時期です。雨が多く土が常に湿った状態になることで、ナメクジなどの害虫やうどんこ病などの病気が発生しやすくなります。また、長時間雨に当たることで、地上部分の株もダメージを受けてしまいます。
梅雨の時期に植物を守るためには、まずは鉢を雨に当たらない場所に移動させましょう。鉢の数が多く屋根の下に置ききれない場合には、鉢の下にスノコを置くことで風通しだけでも確保しましょう。
土に藁やもみ殻を敷くことも有効です。雨により土が跳ね返り病原菌が植物についてしまうことや、土が固くなってしまうことを避けることができます。
家庭菜園の夏の暑さ対策
夏には、最高気温が35度を超えることもありますが、これは暑さに強い野菜にさえも高すぎる気温です。強い日差しの照り返しで、猛暑日の地面の温度は50度以上にもなります。
野菜を暑さから守るためには、日中は鉢を日陰に移動させるようにします。日中に水やりをすると、水が熱せられて根にダメージを与えてしまいます。水は早朝か夕方に与えましょう。日中は打ち水をして、地表の温度を下げることで株への負担を減らすことができます。鉢同士を離して置き、茂りすぎた葉を取り除いて風通しを確保することも大切です。
遮光性のある半透明のネットをかけると、直射日光を避けられると同時に、害虫被害も防止できます。野菜の栽培に慣れてきたら、キュウリやゴーヤなどでグリーンカーテンを作って直射日光を防いでもいいでしょう。
家庭菜園の台風対策
夏は台風の被害も心配です。台風の予報が出たら、鉢を風の当たらない場所に避難させ、収穫できそうな野菜は収穫しておきます。移動できない場合は、株に専用のプラスチックのキャップをかぶせ、キャップが飛ばないようにしっかり固定しておきます。背が高い株は、太い支柱を立てることで倒れる可能性を減らせます。
野菜だけでなく、栽培道具など風で飛ばされやすいものも室内に入れておきましょう。グリーンカーテンは風で飛ばされやすいので、ネットごと外しておきます。
家庭菜園の冬の寒さ対策
最低気温が氷点下になるような場所では、霜が降りるのを防ぐために、夜間は鉢を室内に入れましょう。特に雪の予報がある時は、気温の低下だけでなく雪の重みで株が痛むおそれもあるため、必ず移動させるか、一時的に発泡スチロールの箱などをかぶせておきましょう。寒冷紗をかけることも寒さ対策になります。寒冷紗は、かけたままでも水やりができます。冬は、夕方に水やりすると夜に水が土中で凍ってしまうため、日中の暖かい時間に水を与えましょう。