野菜の剪定とは
種から育てた植物は、発芽した苗が重なり合わないように数回に分けて間引きを行います。間引きが終わり、コンテナ内に最後まで育てる株だけが残ったら、今度はその株の形を整える作業を行います。この作業では、株全体を取り除く間引きとは違い、株の一部を切り落としますす。この作業を行うことで残った部分に栄養が行き渡り、野菜の収穫量を増やすことができます。また、風通しが確保され、病気や害虫の被害を防ぐことができます。作業には、摘芯や整枝、実りすぎた野菜の間引きなどがあります。
野菜の摘芯の方法
摘芯とは、茎の側面や先端についた芽を摘み取ることです。植物は、茎の側面についた芽よりも先端の芽を生長させようとする性質があります。自然に任せておくと植物はどんどん上に伸びていき、管理が難しくなります。摘芯を行った部分はそれ以上上に伸びることはなく、代わりに茎の側面から芽がでるため、枝の本数が増えていきます。上手に摘芯を行えば、株を思い通りの形に整えることができます。また、それまで生長が止まっていた若い芽が生長できることで、株全体を若返らせることもできます。
摘芯は、株の生育が旺盛な時期に行います。生長を止めたい枝の先端部分の芽を手やハサミで摘み取ります。
野菜のわき芽かき・整枝の方法
摘芯は茎の頂点にある芽を摘み取る作業ですが、わき芽かきは、茎の側面の芽を摘み取る作業です。摘芯を行うと枝の数が増えますが、枝の本数を増やさずに生長させたい時はわき芽かきを行います。わき芽かきで摘み取り切れずに生長した枝を切る作業は、整枝と言います。例えばトマトは、主枝を1本のみ伸ばす1本仕立てで育てることが基本のため、積極的にわき芽かき・整枝を行う必要があります。ナスは主枝1本と側枝1,2本をメインに育てる2本仕立て・3本仕立てが基本です。一番最初に咲いた花のすぐ下にある枝を伸ばし、それ以外はわき芽かき・整枝を行いましょう。
わき芽かきは芽が伸びてきたらなるべく早く行います。整枝は、株全体の生長が鈍化してきたら行いましょう。
実りすぎた野菜の間引き方法
株に実がつき始めたら、収穫までもう少しです。実を成熟させるために、植物はかなりの栄養分を使います。野菜の種類にもよりますが、一つの株にあまりに多くの実がなると、1つ1つの実に栄養が行き渡らなくなり、野菜の味が落ちてしまいます。このため、実りすぎた野菜は間引く必要があります。実の数が少なくても、形や色がおかしいものや、病気や害虫の被害を受けている実は早めに間引きましょう。
例えば、トウモロコシは、普通に育てると1つの株に2,3本の実がなります。実を取らずに大きくしてしまうと、すべてが未熟な食べられない実になってしまいます。このため、ヒゲが見え始めたタイミングで最上部だけ実を残し、それ以外の実は間引いてしまいましょう。間引いた実はヤングコーンとして食べることができます。
また、キュウリは、実がなってから生長の速度が遅くなることがあります。この時には、思い切って実を一度すべて取ってしまいましょう。無理に成熟させると株が弱り、枯れてしまう恐れがあります。実をすべて取れば、株自身の回復に栄養分を使えるようになり、結果として大きい実をつけてくれます。