モザイク病の症状
モザイク病は、ほとんどの野菜に発症の可能性がある病気です。葉や花、茎に濃淡のまだら模様が現れます。初期段階では、葉脈や花の縁に沿って変色します。症状が進行すると、モザイク模様が全体に広がり、葉が変形したり株全体が萎縮したりします。黒い斑点が現れることもあります。症状がひどい場合は、株が枯死してしまうこともあります。
モザイク病は、野菜以外の植物にも発生する病気です。1つの株が発症したら、種類が違うほかの株に感染する恐れもあります。
発生期間は4月から10月です。この時期には天気や気温に関わらず発生しますが、特に晴天が続いた時には注意が必要です。
モザイク病の原因
モザイク病の原因はウイルスです。モザイク病のウイルスには、キュウリモザイクウイルスや、カボチャモザイクウイルスなどさまざまな種類があります。キュウリモザイクウイルスという名ですが、キュウリだけに感染するわけではなく、ウリ科の野菜全般、さらにナス科の野菜も感染の可能性があります。また、1つの株が複数のウイルスに侵されることもあります。この場合、症状がより重くなります。
ウイルスは、アブラムシやハダニなどの害虫によって媒介されます。これらの害虫が、病気に侵された株の汁を吸った後、ほかの植物に移ることで感染が広がっていきます。害虫の活動が活発な初夏から秋口にかけては、特に被害に注意する必要があります。
ハサミなどの園芸用具を媒介してウイルスが感染することもあります。モザイク病にかかった植物を剪定した後、道具を消毒せずにほかの植物に使うことで、感染してしまいます。
モザイク病の予防
モザイク病の予防のためには、害虫が寄ってこない環境を育てることが大切です。防虫ネットや寒冷紗で株を覆うこと、アブラムシの場合はアルミホイルを株元に置くことで被害を減らすことができます。また、園芸用具からの感染を防ぐため、使い終わった園芸用具は消毒してから保管するようにしましょう。
近くにミントを植えることも効果的です。ミントに含まれるメントールという成分が、害虫を遠ざける効果があります。ただし、ミントは繁殖力がかなり強い植物なので、増えすぎないように管理しましょう。
害虫が株につくのを予防するために、オルトラン液剤や、ベストガード粒剤などの薬剤をあらかじめ散布しておいてもいいでしょう。アブラムシは黄色を好むため、黄色い容器に殺虫剤を入れて株の近くに置いておくことで、おびき寄せることができます。
モザイク病の治療法
モザイク病などウイルスが原因で発生する病気は、残念ながら治療することができません。被害に遭わないように予防を徹底することで対抗するしかありません。害虫予防を徹底していても、株の確認は怠らないようにします。害虫を見つけたら、汁を吸われる前にすぐに捕殺しましょう。
発症してしまった場合は、株を引き抜いて焼却処分します。対応が遅れるとほかの株に感染する恐れがあるので、なるべく早く対処します。また、発症した野菜の球根を植えたり、株分けを行ったりすることも感染が広がる原因になるため避けましょう。株を処分した後は、使用した道具や手の消毒も忘れずに行いましょう。ウイルスが土に移っている恐れもあるため、念のため土も処分します。