家庭菜園の農薬の必要性
農薬とは、植物を病気や害虫から守ったり、植物の作用や生長を促したりする作用のある薬のことです。家庭菜園で野菜を育てるなら、無農薬で栽培したいと思うかもしれませんが、農薬を使わない栽培は難易度の高いものです。常に株の様子をチェックし、異常があったら初期段階で病気の種類を特定し、正しく対処しなければいけません。判断を誤ったり対応が遅れたりすると、最悪の場合枯れてしまうこともあります。病気の中には症状が似たものも多いため、正しく判断し対処することは、初心者でなくても難しいものです。また、害虫には土の中や株の内部に入り込むものもいるため、外側から見つけられず、知らぬ間に深刻な被害を受けてしまうことも少なくありません。
また、すべての農薬に人間に害になる成分が入っているわけではありません。使用量や使用方法を守れば、人体への影響がほとんどないことも多いため、農薬使用にそこまで神経質になる必要はありません。
自然農薬とは
やはり農薬の影響が心配という場合には、自然農薬の使用をお勧めします。自然農薬とは、家庭にある食品や、竹酢液など自然由来のものを使って育てる農薬のことです。市販の農薬に比べ効果は劣りますが、人体や植物への影響がなく経済的という特長があります。普通の農薬と同じように、害虫駆除できるもの、病気予防ができるものなど用途が分かれており、さらにアブラムシ対策用、うどんこ病対策用などピンポイントで対策できる自然農薬もあります。その野菜が被害を受けやすい害虫や、かかりやすい病気をあらかじめ調べておけば、それに合わせた対策ができます。
自然農薬でも使用方法や使用量を守ることは大切です。食品を使用する自然農薬は、使いすぎるとカビが生えやすくなるため注意が必要です。また、保存がきかないため使用の度に育てる必要があります。
害虫駆除の自然農薬
牛乳液は、アブラムシやアリの対策になります。牛乳を薄めずにスプレー液に入れ、株に吹きかけると害虫を窒息死させることができます。賞味期限が切れた牛乳を使えば経済的です。牛乳が流れないように晴れた日に行いましょう。牛乳が乾燥て害虫の窒息死が確認できたら、成分が残らないように水でよく流しましょう。
コーヒー液は、ダニ類の対策になります。飲み残しのコーヒーを、そのままか、2倍に薄めてスプレー散布します。砂糖が入ったコーヒーでも効果があります。
ニンニクやニラなど匂いのきついものは害虫全般を寄りつかなくする効果があります。すりつぶして小皿に入れ、株の近くに置いておくだけで効果があります。
病気予防の自然農薬
竹炭を焼いた時の煙を冷やして液化した竹酢液は、殺菌効果があるため、多くの病気の予防効果があります。100倍から200倍に薄めて散布します。茎が腐る病気には、発症部位に原液を直接塗ることで進行を食い止めることができます。
米酢は、うどん粉病の予防に効果があります。殺菌や消毒効果のほか、株を元気にする効果もあります。50倍ほどに薄めて1週間に1度散布しましょう。洗い流す必要はありません。
ネギ液はうどん粉病、灰色かび病、軟腐病予防に効果があります。生のネギ30gを刻み、1lの熱湯の中に入れて1時間ほど置きます。これに水を1lと石鹸液5gを加え2回ほど布でこします。週に2回ほど霧吹きで散布しましょう。