ベランダや畑で野菜作りをすると、どこからともなく害虫がやってきていつの間にか葉っぱや実を食べてしまい全く収穫できなくてがっかりすることもあるかもしれません。虫食い部分を削り取って食べられるものはまだましですが、果実全体に虫がべったりついていたり中に入り込んでいたりすると、もう食べる気も起きませんよね。害虫の被害は完全にシャットアウトすることはできませんが、早期発見、早期対策をすれば農作物への被害を最小限にとどめることができます。そこで、農作物に発生しやすい害虫をご紹介します。
ウリ系の野菜に寄生する「ウリカムシ」
ハムシ科の害虫で空を飛ぶため、ベランダ菜園でも多発することがあります。鮮やかなオレンジ色の虫で、成虫は葉や果実を食害してダメージを与えます。幼虫は根の内部まで食い進むため被害にあうとやがては枯れてしまいます。キュウリやトマトなどのウリ科の植物を好み、葉っぱが円形や網目状に穴が開いていると、ウリカムシが発生している可能性があります。早朝は動きが鈍るため手でつぶすか、黄色の粘着シートを設置して誘引捕殺するのが良いでしょう。
駆除は必須「アブラムシ」
あらゆる植物に寄生するアブラムシは、葉や茎、新芽などあらゆる部位に寄生して葉や茎の汁を吸って植物の生育を阻害します。さらにウイルス病を媒介したりすす病を誘発したりします。ウイルス病は葉が縮んで生育不良になる病気ですが、適用薬剤はなく病気になったら株ごと引き抜いて処分するしかありません。緑色の小さなアブラムシは発生すると密集して葉を食い散らかします。早期に薬剤を散布して完全に駆除しましょう。また、アブラムシの予防薬を散布して発生しないようにすることも大事です。アブラムシはキラキラ光るものを嫌がりますので、シルバーマルチかアルミホイルを敷いたり、株間をあけて風通しを良くするのも有効です。
幅広い作物に寄生する「ハモグリバエ」
ハモグリバエが寄生すると、葉っぱの表面に線状の模様が付くことから「エカキムシ」と呼ばれることもあります。葉の内部をトンネル状に食い進むため、被害葉はやがては枯れてしまいます。模様の先端に虫がいますので、指でつぶすようにして駆除するか黄色の粘着シートで誘引捕殺するようにしましょう。適応農薬はありますが薬剤の抵抗性がつきやすいので、複数の薬剤を交代に散布すると効果的ですよ。葉っぱを食い散らかすのはハモグリバエの幼虫で、葉に潜っているため薬剤が効きにくいです。成虫はコバエに似ていて、やはり葉っぱからにじみ出る汁を吸います。
果実の中を食い荒らす「オオタバコガ」
成虫は全長約1.5cmのガで、主に新芽に産卵し幼虫は新芽を食い荒らし成虫は果実に穴を開けて中に侵入し食害します。大型なのでわずかしかいなくても被害は大きいです。ピーマンやシシトウ、ナスなどによく寄生し、せっかくの野菜に穴が開いてしまい中が黒くなってしまいます。食跡を見つけたら周りを探して捕殺するようにしましょう。卵や幼虫を見つけたら、そのまま放置せずゴミとして処分しましょう。幼虫が小さいうちに薬剤などで確実に駆除しないと、果実全体に広がって収穫できなくなってしまいます。