間引きとは
間引きとは、種から発芽した苗の中から、生長の悪い苗を選んで抜いていく作業のことです。植物の種の発芽率は100%ではないため、実際に栽培したい量より多くの種をまきます。このため、芽が出始めるとコンテナ内が混み始め、肥料が行き渡らなくなってしまいます。間引きを行うことで、残った植物に栄養分を集中させて、植物の生長を促すことができます。さらに間引きで風通しがよくなると、病気や害虫の被害にも遭いにくくなります。野菜栽培でも間引きは欠かせない作業ですが、発芽直後には芽を密集させた方がおいしく育つもの、発芽時点からすぐに空間を確保した方がいいものなどさまざまです。特に、コンテナという狭いスペースの中で野菜を育てる時は、間引きのタイミングや回数が重要になってきます。
間引きの基本についてご紹介します。
コンテナ栽培の間引きの方法
間引きは、生長に応じて数回に分けて行うことが普通です。
最初のタイミングは発芽直後です。発芽して、葉が重なり合ってきたら間引きを行います。先がギザギザになったピンセットを使い、2cmから5cmほどの間隔になるように芽を抜いていきます。一番背が高い芽や茎が細い芽、葉の形が悪い芽、葉の色が薄い芽や黄色っぽい芽を選んで間引きしましょう。一番背が高い芽は、「徒長」と言って、肥料過多で生長しすぎている状態です。残しておいてもその後の生長が見込めないため、間引いてしまいます。
間引きの2回めのタイミングは、本葉が1,2枚になった時です。手やハサミを使って、葉が重なり合わない間隔で、生育の悪い株を間引きます。野菜の中には、間引いた株を食べられるものもあります。成熟した株より柔らかく、クセがないため、生でもおいしく食べることができます。
3回めは、本葉が3,4枚になった時に行います。葉が重なり合わないように間引きます。ここまで生長すると根もかなり張ってくるので、ほかの株を巻き込まないように慎重に行いましょう。根が絡まって引き抜けない時は、株元をハサミで切って間引きします。ここで残した株を最後まで育てていくため、株をよく見て、生育具合が一番よく、病気や害虫の被害を受けていないものを選びましょう。
野菜によっては間引きが2回だけのものや、4回以上間引きを行うものもあります。
コンテナ栽培の間引きの注意点
発芽直後は芽が柔らかく、傷つきやすい状態です。また、芽のサイズが小さく、間隔も狭いためかなり細かい作業になります。このため、手ではなくピンセットでの間引きをおすすめしています。ピンセットがほかの部分に当たらないよう、慎重に間引きましょう。また、間引きを行なった後は、残った株に土を寄せておきましょう。
生長後の間引きは、根が強く張っている場合は株元をハサミで切って行います。根は地面に残ったままなので、株が少しでも残っていると生長してしまうことがあります。株が残らないように、土ギリギリのところで切り取りましょう。
数回に分けて間引きをするなら、芽の段階で一気に間引いてしまいたいと思うかもしれません。しかし、芽の段階で少し小さめの苗がその後大きく生長する場合や、その逆の場合もあるため、生長具合を見ながら少しずつ間引いた方が確実にいい株を残すことができます。