ハエトリソウは食虫植物の中でもよく知られており、ホームセンターでも販売されているためすぐにイメージがわく方も多いと思います。しかし一般的な植物と見た目や性質が違うのは確か。そのため育て方も普通とは少し変わっており注意点も多くあります。この記事では、初めてハエトリソウを育てる方に知っていただきたい育て方、注意点などをご紹介いたします。
ハエトリソウの原産地は日本と似た気候
ハエトリソウは北アメリカに自生している植物です。北アメリカは日本と同じような四季がある地域ですので、食虫植物の中では育てやすいとは言われています。実は北アメリカに住んでいる方も自分の国にハエトリソウが自生していることを知らない方が多いそうです。湿地地帯の植物ですので乾燥には弱いため、主に腰水で水分管理をします。
なぜあのように捕食出来るのか
虫を挟み込んで食べてしまうというハエトリソウは何故獲物が来たことがわかるのでしょうか。それは葉に「感覚毛」と呼ばれるセンサーが付いており、それに虫が触れることで0.5秒ほどの速さで二枚の葉が虫を捕らえます。一週間ほど掛けて養分をじんわりと吸収してまた葉が開きます。この葉は虫でなくとも何かが触れたら閉じますが、消化液はたんぱく質に反応して分泌されるため、他のものが入り込めば葉を開き外へ出そうとします。
そのため人の指が触れてもハエトリソウは葉を閉じますが、その様子が見たいからといってむやみに触れて閉じさせてはいけません。この動きには大きなエネルギーを使うため、あまり動かしてばかりだとハエトリソウが衰弱してしまい、すぐに枯れてしまう原因となります。どうしてもその動きが見たいのならば、虫やチーズの欠片などを与えて消費エネルギーを補ってあげましょう。
ハエトリソウの育て方
ハエトリソウは非常に日光を好む植物ですので、窓際で直射日光が当たる場所で育てることを推奨されています。出来れば一日に6時間以上日光に当たり、風通しの良い場所へ置くのがベストです。しかし夏は直射日光に少し気を付けましょう。これは光ではなく、直射日光により蒸れてしまったり土の中の温度が上がってしまい根が傷んでしまう恐れがあるためです。そしてハエトリソウは寒さにも非常に強く多少凍ってしまっても問題ないのですが、冬は霜に当たらないようにできるだけ軒下や屋内に置いておきましょう。
春から秋の水やりについては、他の植物では滅多にすることのない「腰水」という方法を使います。これは受け皿に水を入れて給水する方法で、たっぷり水を流してあげましょう。一般的な植物ではこんなことをしてはすぐに根腐れを起こしてしまうため、受け皿に水がたまった場合にはすぐに捨てるのですが、ハエトリソウは本来湿地に自生している植物ですので、逆に乾燥がNGなのです。皿に水が無くなったり、水の温度が上がっていると思ったら交換したり水を足して補いましょう。
上記に気を付けて育てていれば、ハエトリソウは基本的に枯れずに元気良く育つでしょう。水やりの方法などが特殊なため勘違いされやすいのですが、特に水分管理には気を付けて育ててください。強い植物で日本の温度にも余裕で耐えられるような数少ない丈夫な植物ですので、初めて育てる食虫植物に選ぶことはおすすめします。