シソ科のタイムはとても育てやすいハーブです。種類も豊富で北半球におよそ400種類もあるのだとか・・・古くから人に利用され、古代エジプトではミイラの防腐剤として使用されていたそうです。殺菌作用や咳止めなどの効果もありますが、何よりスパイスとしてタイムはポピュラーですね。タイムは一見すると背も小さくて草に見えますが、実は立派な木本(もくほん)なのです。長く育てると木本であることが良くわかりますし、盆栽のような雰囲気さえ漂うようになります。

タイムの品種

代表的なのは「コモンタイム」でしょう。「レモンタイム」はレモンのような爽快感のある香りです。匍匐性のクリーピングタイムは「ワイルドタイム」とも呼ばれる花色や葉色のバラエティに富んだ品種です。這って広がることから、香りが立つようにわざと人やペットが踏んだりする所に植えたりします。シルバータイムは密集する葉が白く輝くのでアクセントにもなります。

タイムの栽培時期

開花期は4月から10月ぐらいまでです。7月と8月の真夏の時期は花が少なくなります。
植え付けは3月から5月ごろと9月から10月ぐらい、年に2回可能です。
肥料は4月から6月と9月から11月ごろまで必要です。真夏と真冬はいりません。

タイムのプランターと用土

市販の苗を植え付けるなら、苗より一回りぐらい大きい鉢にします。プランターに複数植える場合は株の間隔が10センチぐらいになるようなものを選びましょう。種から育てるなら5号鉢(直径15センチぐらい)や30センチぐらいのプランターでも良いですね。
匍匐性の品種の場合は複数株植えるよりも1株を5号鉢に植えた方が元気に育ちます。

用土はハーブ専用の培養土を利用できます。配合するなら赤玉土7:腐葉土3が適切です。よくピートモスが配合されている用土が市販されていますが、タイムは酸性度が強いと育ちませんので使用しないようにしましょう。庭に植えたり使いまわしの用土の場合は石灰を少し混ぜておきましょう。

タイムの種蒔きと植え付け

プランターに8分目まで用土を入れて人差し指で5ミリぐらいの深さの穴をあけます。1粒か2粒ずつ点蒔きして、種が隠れるぐらい薄く土をかぶせて手で押さえてやります。種が浮かないように蓮口付きじょうろで水をやりましょう。土をかぶせない場合は霧吹きで水をかけて乾かないように管理します。日陰で3日から1週間も管理すると小さな双葉がどんどん出てきます。発芽率が良いのでたくさん芽が出ますね。本葉が3枚ぐらいになったところで成長具合や色を見て間引きながら本葉が6枚程度になるぐらいまで育てましょう。直播した場合はこの時期で株の間隔が10センチぐらいになるようにします。

市販の苗や種から発芽させたものを植え替える場合は根鉢を崩さないように丁寧に移植しましょう。

タイムの置き場所

比較的日陰でも元気に育ちますが葉色の鮮やかさがなくなります。つやつやしたキレイな葉にするなら日向で風通しの良い場所に置きましょう。夏の暑さと多湿に弱い性質があるので、コンクリートに直接プランターを置かずにレンガなどを足して高床式にすると良いですね。耐寒性は強い方なので、戸外で冬越しできます。でも霜が当たったりすると葉が真っ黒になってきっとびっくりします・・・春になると芽吹くのでほぼ大丈夫なのですが、あまりにも吹きっさらしの場合はちょっと軒下や風が当たりにくいところに移動させましょう。

タイムの植え替えと挿し木

タイムはとても生育が早いハーブです。根があっという間に伸びて1年で鉢がいっぱいなんてことはしょっちゅうです。鉢の下から根が出ていたら、根鉢を崩さないように一回り大きな鉢に植え替えてやります。株分けできそうな時は分けるのも良いでしょう。3月から5月と9月から10月が植え替えの適期です。

タイムは草本ではなく木本なので成長すると表面がまさに木になります。挿し木はつぼみが付いおらず、まだ木になっていない枝を挿します。先から10センチぐらいにカットして下の方の葉を落とします。2時間ほど水揚げしたらバーミキュライトなどに挿すと良いでしょう。根が出るまでは水を切らさず半日陰で管理しましょう。直射日光はNGです。根が出たら植え付けの手順で鉢にあげましょう。

タイムの水やりと肥料

乾燥気味の管理にします。水やりは土の表面が完全に乾ききってからにしましょう。植え付けたばかりの株は1か月ぐらいは根が活着するまで少し多めにやります。冬は成長がかなりゆっくりになるので土の表面が乾いてから2日から3日待ってからにします。

肥料は植え付けの時に緩効性肥料を土に混ぜておくと良いです。追肥は生育期中の3月から11月ごろまで、液体肥料を薄めて2週間に1回やるか固形肥料を株元に置きます。7月から8月の真夏と冬季は肥料を与えません。肥料が多すぎると良い香りが薄くなってしまいます。

タイムの刈り込みと花茎摘み

もこもこに茂ったタイムはかわいいのですが風通しが悪くなりやすいです。株が蒸れると枯れあがるので、梅雨入り前に株の高さの3分の1から2分の1ぐらいまで刈り込みましょう。収穫も兼ねられるので良いですね。冬も11月から12月ごろに同じぐらい刈り込んでおくと、春の芽吹きがそろってふたたびもこもこのタイムになります。

小さな花を密集して付けるのでとても可愛いのですが、花が咲くと枝の香りが弱くなります。種を収穫したり花がどうしても見たいという場合以外は花茎が出たら摘み取りましょう。

タイムの病害虫対策

病害虫の心配は特にありません。ステキなハーブですね。

タイムの育て方のポイント

風通しが悪く過湿になると株が枯れあがります。枝葉が込み合っていると感じた時や梅雨入り前には3分の1ぐらいまで刈り込みましょう。
肥料は控えめにしないと香りが薄くなります。真夏と真冬は必要ありません。
石灰質の土を好むので、ピートモスが入った用土は使わないようにしましょう。
コンクリートに直接プランターを置かずにレンガなどで下駄を履かせましょう。

タイムの収穫と活用法

株の刈り込みの時が絶好の収穫チャンスですが、どんどん枝を切り取って収穫した方が脇芽が出てかえって立派な株になります。キッチンに近いところに置けると良いですね。

殺菌効果と抗ウイルス効果がとても高く、去痰作用や抗うつ効果もあります。のどが痛かったり風邪やインフルエンザを予防したい時期にはティーにした残りを冷ましてうがいをすると効果があります。
「魚のハーブ」とも呼ばれるぐらい魚料理によく合います。缶詰のオイルサーディンにタイムを一枝入れて温めて薄切りしたバケットにのせるだけでステキなアンティパストの出来上がりです。サンマとトマトを耐熱皿に並べてオリーブオイルをかけて、パン粉と粉チーズにバジルを散らしてオーブンに入れるだけでイタリアンなパン粉焼きです。ブーケガルニには必ずと言っていいほどタイムが入っていますね。パセリやローズマリーなどの茎が残ったら一緒に束ねて煮込み料理にどうぞ。

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