ペパーミントにアップルミント、ミントと名前の付く種類を何種類知っていますか?ハーブの中でも種類が多い部類に入り、変種などを合わせると500種類はくだらないそうです。シソ科の多年草でとても育てやすく繁殖欲が旺盛で、下手に地植えにしてしまうと大変なことになるほどです。いろいろな葉の色や形、花の咲き方も品種によってさまざまなバリエーションがあります。のど飴から歯磨き、軟膏にまで配合されるミントは日常生活に溶け込んだハーブです。

目次

ミントの品種

最もポピュラーなのはスペアミントとペパーミントですね。ペパーミントはお菓子に、スペアミントはアジア料理に利用されています。花が美しいのはペニーロイヤルミントやグレープフルーツミントです。葉色が愛らしいパイナップルミントや形がキレイなカーリーミントなども魅力がある品種です。すべて爽快感のあるあの香りですが、バナナミントやアップルミントなどはほのかに果物のような甘い香りがします。特に香りがオススメなのはオーデコロンミントです。ベルガモットのような香りが爽快さと共に上品に香ります。

ミントの栽培時期

開花期は5月から10月初旬まで、品種によって差はありますが夏季に咲くものが多いです。
植え付けは3月から5月と9月から10月ぐらいが適期です。繁殖力が強いので真夏と真冬以外なら大抵育ちます。
肥料は春先に化成肥料を与えます。

ミントのプランターと用土

ミントは一言でいうと「奔放なハーブ」です。小さな鉢で育てようと大きなプランターで育てようと、好き勝手に育ちます。なので、大きさは選ばなくて良いと言わざるを得ません。5号鉢と3号鉢・直径30センチのプランターで育ててみても、5号鉢は整然と、3号は勝手に根元から匍匐して伸びてベランダを這い、プランターの中では2種類が混戦しています。大きく育てたい時にはプランター、まずは一株なら5号鉢ぐらいをオススメします。

用土は保水性が必要です。赤玉土5:腐葉土3:バーミキュライト2ぐらいの配合が良いでしょう。ハーブの培養土でも構いませんが、少しだけバーミキュライトを混ぜてやると生育が良いです。

ミントの種蒔きと植え付け

種蒔きは3月から4月と9月から10月ごろが適期です。自分で採取した種は親株よりも香りが弱くなることが多いので、購入した種を蒔いた方がベターです。
プランターに用土を8分目ぐらいまで入れたら水をかけて湿らせ、表面を軽くならします。おもむろに種をばら蒔けばOKです。そのままでも良いですし、土をかぶせるならかるく「まぶす」程度にかければ良いだけです。あとは半日陰で霧吹きで水をやりながら乾かさないように2週間ほど管理したら発芽します。発育の状態を見ながらほどよい間隔になるようにほどよく間引いて育てましょう。「本葉が何枚で間隔は何センチ」と厳密なことは考えなくて良いのがミントです。多めに間引いてもかなりの繁殖力でびっくりしますよ。
市販の苗を植え付けるときは一回り大きな鉢に植え替えると良いでしょう。真夏は乾燥しやすく株が弱る傾向にあるので、夏と冬を避けて苗の植え付けをしましょう。他の時期ならいつでも行えます。
他の植物と同じ鉢に植えこみたい場合は地下茎が伸びることを想定して仕切ることが重要です。四方八方に伸びて他の生育を邪魔するので、鉢の中に底までぴっちり板を差し込んで仕切るか、ミントだけをビニールポットに植え付けてからさらに寄せ植えにするようにしましょう。

ミントの置き場所

ミントを品種違いで数種類育てる場合、同じベランダや畑では交雑することがあります。一鉢に異品種を混植したり近くに置いて育てると、香りの弱い交雑種ができるので離しておきましょう。

日当たりが良く風通しの良いところが向いていますが、あまりにも直射日光が強いと葉が枯れてしまうことがあります。午前中だけ日向で午後は明るい日陰になるような場所が最適です。半日陰でも育ちますが完全な日陰はいけません。

夏季には生育が遅くなり弱って見えてきます。葉の小さなコルシカ種は夏に枯れあがることがありますが、根が生きていれば秋になるころ再生します。過湿に気を付ければ枯れあがりは防げます。

耐寒性が非常に強く、越冬のための作業は必要ありません。霜や雪で地上部は枯れてしまいますが、冬場に収穫しなくても良ければほったらかしで大丈夫です。枯らしたくない場合のみ、雪の日には軒下に置いたり囲いをしても良いでしょう。

ミントの植え替えと株分け

植え替えは真夏と冬以外は可能です。一回り大きな鉢に植えるか株分けします。植え替え後は1週間ぐらい水を切らさないようにして半日陰に置いてやりましょう。株分けは土を落として古い茎を切り取ります。芽を5本で1ペアぐらいにして植え付けましょう。芽が伸びていたら株元から3センチから5センチぐらいまで切り詰めてから植え付けると脇芽も出やすいです。

挿し芽と伏せ芽で増やせます。

挿し芽は先端から5センチぐらいに切り取って1時間ほど水揚げします。下葉を落としてあらかじめ用土を湿らせておいて挿し、半日陰で乾燥しないように管理します。
伏せ芽は地下茎になると見せかけて地上に長く伸びた茎やちょっと横にはみ出ている茎を土に寝かせます。上から用土をかぶせて水やりをしていたら根が勝手に出てきます。

ミントの水やりと肥料

乾燥すると葉がチリチリになります。下手をすると枯れあがってしまうのでやや湿り気味の土を心がけましょう。夏場は朝夕の2回水やりが必要かもしれません。水が少ないと葉が固くなってしまいます。

肥料はやりすぎると香りが薄くなります。春の新芽の時期に緩効性肥料を株元にやるだけでも良いです。液体肥料なら2か月に1回ぐらい水やり代わりに与えましょう。

ミントの夏の刈り込み

生育条件が良いとこれでもかというほどぐんぐん伸びます。でも、夏になると若干ひょろりとしてくるので8月初旬ぐらいに株元から思い切って刈り込みます。しばらくは寂しいですが、秋になると新芽が見る見るうちに伸びてきます。鉢替えがどうしてもできない時には緊急対策として土の中の根をハサミで切っておきましょう。

ミントの病害虫対策

成分のメントールは虫除け効果があるとテレビ番組でも取り上げられるほどです。虫の被害はあまりありませんが強いて挙げるならアブラムシです。水で薄めた牛乳を霧吹きでかけたり、水やりのたびに葉水をかけると良いでしょう。

ミントの育て方のポイント

やや湿り気味の土で午前中の日当たりが確保できるぐらいのところが適しています。異品種のものとは離しておかないと交雑します。
地下茎がビックリするほど伸び放題になるので、寄せ植えをする場合はミントだけをビニールポットに閉じ込めてから植えこみましょう。
夏場は水切れを起こして枯れやすいので、状況に応じて1日2回の水やりをします。
水に挿しておくだけでも発根するので、水栽培もできます。

ミントの保存と活用法

濡れ手に粟というほど収穫できるミントはまず保存方法が大切です。洗って水を拭き取ったら葉だけにしてラップで包んで冷凍です。解凍すると色が悪くなるので、冷たいデザートに一瞬乗せて即食べるぐらいの感じや夏場のコールドドリンクに混ぜ込むと良いです。ペットボトルのミネラルウォーターはキャップを空けたらミントを2枚ほど入れておくと飲むたびにほのかな爽快感です。

自然乾燥は時間がかかるので電子レンジで簡単ドライにするのも良い方法です。ただし、油分があるので大量に長時間電子レンジにかけると発火しますのでそこはご注意ください。

冷蔵保存は洗って10分ぐらい水揚げしたら、濡らしたキッチンペーパーにくるんで密閉容器に入れます。1週間近くは生葉で利用できます。

ミントの効能は品種によってばらつきが多少ありますが、殺菌効果やリラックス作用・歯痛を止めたり乗り物酔いや口臭予防などがあります。水に漬け込んだりティーにするとデトックス効果で美肌やダイエットにも効きますし、ティーが冷めたら洗顔に使って皮脂テカ予防にもなります。

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