紀元前300年ごろから栽培が始まっていたという歴史の古いハーブです。ニオイスミレとも呼ばれ、花だけでなく葉も香るため香水の原料にもなっています。恋に効く薬と言い伝えられビクトリア朝ではスイートバイオレットの花束が飛ぶように売れたそうです。花は言うまでもなく、ハート形の葉もとてもよく茂り育てやすさも人気の秘密でしょう。

目次

スイートバイオレットの品種

一番人気があるのはやはり紫色の一重咲きの原種ですね。和に似合う風貌で日陰のスペースで育てられるのでシェードガーデンにもよく合います。イエローは花の中央がアプリコット色でこぼれ種で増える強健な品種です。濃厚な香りで15センチぐらいまで花茎が伸びるピンク種は鉢植えでも映える品種で、他にもホワイト種や八重咲のものなども人気があります。

スイートバイオレットの栽培時期

開花期は2月から5月下旬ぐらいまで、年が明けたら最初に開くのはこのスイートバイオレットでしょうね。
種蒔きは9月から10月の秋蒔きが適しています。秋に蒔いて春に花を咲かせて夏越しするのが一番丈夫な株になります。
肥料は真夏以外に液体肥料を与えます。

スイートバイオレットのプランターと用土

プランターは選びません、なんでも良いです。もし苗を入手したらその苗が植えられそうな大きさならどんなものでも育ちます。匍匐性なので大きめのプランターがあれば余裕をもって生育させられます。二回りぐらい大きければ植え替えずに翌年まで育てられます。

用土は草花培養土や山野草の土が適しています。土もあまり選びませんが水もちの良いものが良いでしょう。配合するなら赤玉土7:腐葉土2:ピートモス1ぐらいが良いですね。

スイートバイオレットの種蒔きと苗の植え付け

種蒔きは9月から10月が適期です。植え付けるプランターや鉢に8分目まで用土を入れて種を直播します。重ならないようにパラパラと蒔いておけばよいでしょう。上から1ミリぐらい土をかぶせて霧吹きで水をかけて乾燥しないように管理したら10日から2週間ほどで発芽します。小さい植木鉢なら一回りぐらい大きな受け皿などに水を張って底面給水でもよいでしょう。発芽するまでは半日陰で、発芽したら日向に出してあげます。

苗の植え付けは3月から5月か9月から10月いっぱいまでが良いでしょう。根を軽くほぐして植え付けます。

スイートバイオレットの置き場所

明るい日陰か朝日や午前中の日差しが当たるところが適しています。日向は良く育ちますが夏の強い日差しには弱いです。日向にある他の鉢植えの陰になるようなところに置いてあげるのが一番良いですね。耐寒性が高く、冬に移動させる心配はいりません。ただし、植えつけたばかりの苗や発芽したての芽がある場合は様子を見て軒下あたりへ移動させた方がおいこともあります。

スイートバイオレットの増やし方

春と秋ごろに株分けがで増やせます。ランナーが伸びて根付いた株を元から切り離して掘り上げます。掘り上げと植え付けの時に根を切らないように気を付けましょう。

こぼれ種でも増えます。種が出来たら一度中身を見てみるとビックリするぐらいたくさんの粒が入っています。しかもその鉢の中に落ちるどころか、かなり遠くの鉢からハート形の葉が伸びて気づくことも多々あります・・・

スイートバイオレットの水やりと肥料

水分を大変好みます。少々湿気があるのでは?というぐらいの土が適しているので乾燥しすぎには注意しましょう。

肥料は真夏は与えません。スイートバイオレットは真夏の暑さに弱いので肥料をやると逆効果です。7月から8月は与えずに、その他の時期は毎週1回薄めた液体肥料を水やり代わりに与えましょう。

スイートバイオレットのお手入れ

花が終わったらすぐに花がらを摘み取ります。枯れた葉もマメに切ってあげるようにしましょう。放っておくと用土の湿気でカビが出るので注意しましょう。大きくなりすぎた葉も切り取ってやると、株に栄養が良く回るようになります。

スイートバイオレットの病害虫対策

春も早い時期からアブラムシに気を付けましょう。花芽だろうと葉っぱだろうと群がり始めてからでは間に合いません。早めに綿棒で退治するか、牛乳や木酢液・トウガラシなどを水で薄めて霧吹きしましょう。高温の時期にはハダニにも注意が必要です。

スイートバイオレットの育て方のポイント

湿度のある土を好みます。土の乾燥具合に注意して、夏などは様子を見ながら1日2回の水やりも必要です。
日が当たらないと生育不良になりますが、真夏の強い日差しや西日には弱いハーブです。理想的な置き場所は日向の大きな植木の陰になる場所ですね。
病気や害虫の予防のために、常に花がらや傷んだ葉を切り取ってキレイにしておきましょう。
肥料の与え過ぎと日光の当たりすぎは花が付かなくなる原因になります。

スイートバイオレットの活用法

スイートバイオレットは花も葉も活用できますが、根には毒があるので絶対に口にしてはいけません。花の収穫は香りのよい朝一番が適しています。

花や葉でティーにすると咳止めや去痰作用があります。ティーが冷めてしまったら薄めてうがい薬にできますし、ちょっと冷えが気になる時には利尿作用もあるので飲んでみると良いですね。神経疲労や不眠にも柔らかな作用があります。花を生のままサラダに散らしてもいただけます。

花を砂糖漬けにするとオシャレな紅茶のお供になります。そのまま食べても紅茶に浮かべても美しいおやつです。きれいに洗って水気をとった花に卵白やブランデーを薄くつけ、グラニュー糖をまぶして3日ほど重ならないように広げて乾燥させるだけです。ケーキの色どりにもキレイですね。

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