濃いイエローグリーンの葉のレモンバームは生育欲がとても旺盛です。
セイヨウヤマハッカ属の多年草で草丈は大きくなると1mほどになります。レモンにハチミツのような甘さをプラスした香りからメリッサ(ギリシャ語で蜂蜜)とも呼ばれています。夏に5ミリほどの小さな真っ白い花を咲かせますが、その花は2日間ほどしか持たない幻のような可憐さです。
根を土に定着させると年に4回ほど刈り取れる育てやすいハーブです。
目次
レモンバームの植え付けと収穫の時期
4月から6月の梅雨前ぐらいまでが植え付けにちょうど良い時期です。レモンバームは少しだけ多めの水分を好むので、植えつけてから梅雨に入るというのがベストタイミングです。秋も10月の初旬であれば寒くなる前に根が伸びるので植え付け可能です。
葉を収穫できるのは植えつけてからひと月程度たってからです。脇芽がどんどん吹いてくるので伸びたら切り戻しを兼ねた刈り取りをする方が株のためには良いことです。切る位置はどこでもOKという元気なレモンバームは、切るとすぐに脇芽はもちろん株元から新しい芽が伸びてきます。
レモンバームの土とプランター
野菜専用培養土やハーブの土など、ホームセンターや通販で手に入るもので十分です。あまりプランターの大きさや土の配合にはこだわりませんが、水分を好むので保水性が良い方が生育が良くなります。このため、自分で配合する時には赤玉土を少し多めにしてあげると良いですね。プランターは大きさより深さと材質が大切です。15センチ以上の深さと保水性重視でプラスチック製か素焼きよりも釉薬がかかった鉢の方が良いでしょう。
レモンバームを種から育てる
種はバラバラと直播で、混み合っていても大丈夫です。蒔いたら薄く土をかぶせて水は切らさないようにしましょう。2週間ほどで双葉が出そろうので、そのころ混み合い具合を間引いて調節しましょう。多少くっついていてもレモンバームは強いのでそのまま3か月ほど育てれば立派な株になります。
レモンバームを挿し芽で育てる
レモンバームの良いところは挿し芽でもぐんぐん育つところです。
節が3つぐらいついた枝をよく切れるハサミで切り取り挿し穂を作ります。
一番下の節に付いた葉を取り除き、1時間ほど水に差して水揚げします。
小さな鉢にバーミキュライトなどの挿し芽用の細かい用土を入れ、切り取った芽を挿します。
1か月ぐらいは半日陰に置いて、水を切らさないようにします。脇芽が伸びてきたらここからはどんどん成長するので、根鉢を壊さないようにプランターに定植してあげましょう。
レモンバームの置き場所
レモンバームは半日陰と湿度を好みます。ベランダの日当たりがあまり良くないところでも育ちます。水を切らすと元気もなくなりますしハダニが付くことがあります。でも、過湿が過ぎても病気になるのでちょっと注意が必要ですね。
寒さにも強くてマイナス5度程度までは平気です。雪がかかったぐらいなら葉は焼けますが根は土の中で生きているので少し気温が上がってくると芽が出てきます。
暑さ・寒さの両方に強いのもレモンバームの良いところです。
レモンバームの肥料とお手入れ
肥料はあまり必要ではありません。刈り込んだ後に薄めの液体肥料を水やり代わりにあげると脇芽の伸びが良く、株が大きく成長しやすくなります。
枝が込み合うと風通しが悪く蒸れやすくなるので、葉が枯れたり病気になったりすることがあります。厳密さは必要なく「混み合ってきたな」と思った頃にバッサリ切ってあげると勢いを取り戻します。
かわいらしい花をたくさん咲かせてほしいですが、実は花が咲くにつれて葉が固くなってきます。少しだけ花を楽しんだら切り戻して新しい葉を伸ばしましょう。
株が古くなると香りが弱くなる傾向があるので、挿し芽で株の更新をしましょう。
レモンバームに付きやすい虫・病気
基本的にレモンバームにはあまり敵がいません。枝が込み合い過ぎて風通しが悪くなるとすす病になることがあります。茎や葉がべったりと黒いものに覆われたらすす病です。この場合は思い切って地際からバッサリ切るのが一番良い方法です。もしも葉に白い羽付きの虫がついていたらオンシツコナジラミです。はたいたりゆすったりすると飛んで逃げますがすぐに戻ってきてしまうので、スプレー式の薬剤をかけて退治しましょう。薬剤をかけた後の葉は切って捨てることをお忘れなく。
レモンバーム・利用法とまとめ
レモンバームはハーブティーはもちろん、アイスティーに浮かべるととても良い香りです。冷凍保存もできるので、刈り込んだ枝をバスタブに浮かべて入浴剤としても利用すると良いですね。頭痛を和らげる効果や消化を助ける作用があり、刻んでサラダに混ぜてもさわやかな香りと食感です。
レモンバームは過湿には弱いですが乾燥はもっと嫌いです。明るい日陰で土が乾いたらたっぷりの水を上げて大きく育てましょう。放任主義のベランダでもどんどん育つ強いハーブです。
落花生はマメ科の野菜なのですが、豆などは野菜に分類されると聞いてもピンとこないと思います。しかし自分の手で種から育ててみると立派な野菜だと実感することができます。この記事では落花生の育て方や育てるうえでの注意点についてご紹介いたします。
落花生について
落花生は果菜類の一つで、育てている方は少ないかもしれませんが実は簡単に栽培できる野菜です。土を掘って収穫するためじゃがいものような根菜類に分類されると思われがちですが、エダマメやソラマメなどのマメ科はタネの部分を食べるとされているため果菜類に含まれます。落花生を完熟させるとお菓子などに使われるピーナッツになるのですが、収穫したての実を食べてみるといつもとは違う甘味を感じられるため一度試していただきたいです。栄養も豊富で、落花生の薄皮部分はアンチエイジング効果が期待されているポリフェノールが多量に含まれています。
初心者にも育てやすいと言われている理由は、病気や害虫に強いという特性があるためです。一般的に5~6月に種を蒔き9~10月に収穫できるのですが、これは野菜の中でも少し長めの栽培期間に分類されます。しかし栽培の難易度は易しめということで非常に作りやすいと言われています。高い気温と日光が大好きですので日当たりの良い場所で育てましょう。そして多湿状態に弱いため、出来るだけ乾燥気味で育てると強く丈夫な株になります。
落花生の育て方
落花生はプランターでも栽培可能ですのでベランダ菜園でも楽しめる野菜です。その際は大きめの深型タイプを使いましょう。使う土は市販の培養土で問題ありません。初めての方は苗から育てることを推奨しますが、種から育てる場合はポット一つに種を3粒ほど埋め込んでください。多湿に弱いと言っても芽が出るまではしっかり水を与えなければいけません。発芽を確認して本葉が2~3枚になったら一本の苗になるように他のものを間引いてしまいましょう。
落花生は根が非常に大事ですので、発芽以降も根がしっかりその土地に根付くまでは水やりを欠かさずにしてください。根が張った際には急激に成長しますので恐らく判断できると思います。そしてしばらく育てていると花が咲きますので、その時期になりましたら化成肥料を1株に5gほど与えてあげましょう。出来るだけ窒素が少なめでカリが多めの肥料を使うと弦ボケを防ぐことができます。
10月になると葉が黄ばんてきて下の葉が少し枯れてくると思いますが、この時がまさに収穫時期です。一度試しに掘ってみて、さやに網目があるものは全て収穫してください。出来ればスコップを使い周囲の土ごと掘り返し、株ごと抜いてしまうように収穫するのが良いでしょう。収穫した後は風通しの良い場所に置き数日乾燥させます。
ベランダでも育てられる落花生の魅力
落花生は果菜類の一つですが根を深く張り、実が地中で成長していく根菜類に似た野菜です。根菜類は通常サイズの品種ですとなかなかプランターでは育てられませんが、落花生ならば深型タイプを使えばたとえ室内でも育てることはできます。一度にたっぷり収穫出来たらとても気持ちよく、栄養もあり食べ応えのある野菜ですので是非チャレンジしてみてください。