マートルはウェディングシーンで見かけたことがあるかもしれません。淡いアイボリーの花びらが霧のような雄しべを包む美しい花です。ダークブルーの実が付き樹高は2メートル以上になる常緑樹ですが、鉢植えでコンパクトな樹形に育てることができます。熟した実も食用にでき、厚手のレザーのような葉を揉むとベイリーフのような強い香りがあります。

マートルの品種

葉に白い斑が入る「バリエダカ」という品種は花がない時期も緑とミルキーホワイトのコントラストが美しいです。枝葉がとても細かい「ヒメギンバイカ」や灰白色の実をつける「シルキーベリー」という品種もあります。「レモンマートル」はレモンユーカリに似た香りと小ぶりな花が魅力です。

マートルの栽培時期

開花時期は4月から9月ぐらいまでです。
植え付けは3月から5月までが適期ですが、11月から12月初旬まででも可能です。
肥料は化成肥料を年1回程度与えます。

マートルのプランターと用土

プランターは大型の方が高さが出ても良いのですが、目指す樹高を考えて選ぶと良いでしょう。目安をご紹介すると6号鉢(直径18センチ)ぐらいでも樹高は40センチぐらいにできます。

用土は赤玉土6:腐葉土3:日向土1を混ぜると良いでしょう。腐葉土は完熟腐葉土や完熟たい肥などに替えるとなお生育が良くなります。あらかじめ緩効性肥料を元肥として混ぜておきましょう。水はけが良く有機質の多いものを好みます。

マートルの種蒔きと植え付け

種蒔き
秋に結実した種を採取したら種蒔きは可能です。果肉を落としてから濡らしたペーパータオルに包んで密閉容器に入れ、乾かさないように冷蔵庫保管して3月ごろ蒔いてみましょう。順調に育てばその年の秋には高さ20cm~30cmぐらいまで伸びます。ただ、発芽率があまりよくないので苗植えをおススメします。

苗の植え付け
植え付けに最適な時期は4月下旬~5月です。暖かければ3月から植え替え作業は可能ですが、庭植などのように根を切る場合はもっと気温が上がった5月ごろが適しています。ベランダ栽培なら根鉢を崩さずに苗を移植しましょう。

マートルの置き場所

日向から明るい日陰ぐらいまでならOKです。ただし花を多く咲かせるには日当たりが大切で、日照が少ないと成長も遅くなります。排水の良さも必要なので、鉢の下に水がたまったりしないところを選びましょう。暖かい気候を好むハーブなので、冷たく乾燥した冬の強い風が当たると枝先が痛み成長が止まってしまうことがあります。

耐寒温度はマイナス5度ぐらいで、関東以南の地域ならベランダや露地栽培が可能です。寒冷地では秋ごろ屋内に取り込んで春になったらまた外へ出しましょう。ベランダでも強い寒風が当たるところではなく、できれば風よけができるようなところに置いてやりましょう。

マートルを挿し木で増やす

挿し木に適した気温は20度を超えた頃です。7月ごろに伸びた枝を10センチぐらいに切って下葉を落とします。2時間ほど水を入れたコップなどで水揚げしましょう。赤玉土などの水はけが良い用土を浅鉢に入れて、縁に添わせるように挿しましょう。縁に添わせることで挿し穂が倒れたりしにくくなり、発根がしやすくなります。根が出るまでは半日陰で水を切らさないようにしましょう。風があると乾燥するので蓮口付きのじょうろや霧吹きも活用します。

マートルの水やりと肥料

土の表面が乾いたらたっぷり水やりをします。乾燥しすぎも過湿も良くはありませんが、水切れすると先端から傷んでくるので気を付けましょう。

肥料は3月ごろに化成肥料を株元にばらまくか、液体肥料を3月から5月ぐらいまで2週間に1回与えます。

マートルの剪定作業

飛び出て長い枝は花付きが悪く、枯れた枝や下向きに伸びた枝なども剪定しましょう。枝が伸び放題になると株がまだ育ち切っていないのに頭でっかちになり、倒れやすくなります。小さめに切り詰めてやるほうがマートルのためには良いのです。剪定の時期は花が終わった直後です。本当に直後でないと翌年花が咲きませんのでポイントですね。花の後、翌年の花芽がすぐできるので、樹形を整えるにも年に1度の時期を逃さないようにしたいです。どうしても花後にできなかった時には開花前の4月ごろに選定しましょう。花芽を避けての剪定はそうそう上手くもいかないので花数は減ります・・・

マートルの病害虫対策

マートルは病害虫があまりありません。ごくまれにサビ病にかかることがありますが、これは過湿によるところが大きい病気です。葉の表面に斑点が固まってできて盛り上がるのですぐわかります。込み合った枝は剪定してやる方が健康のためにも良いでしょう。

マートルの育て方のポイント

肥料は春の時期だけで良いので、なるべく植え付けるときに完熟腐葉土など有機質の多いものを配合しましょう。
日当たりは開花のために必要ですが寒さに少し弱めなので、寒冷地では秋には室内に取り込みましょう。
花が終わったら即選定作業をしましょう。

マートルの収穫と活用法

剪定した葉は花後だと固いので生食には向きませんが料理に利用しましょう。肉のローストに合うので、グリルや鉄板にマートルの枝を敷いてその上に肉を並べて焼きます。油が落ちて香りが引き立って、ベイリーフよりもおいしいです。完熟した実は甘くスパイシーな香りとほのかな渋みがあり、バルサミコ酢をつかったソースなどに合います。小鳥が来る場所では実を収穫するのは至難の業です。運悪く(?)若芽を刈り取ったらサラダにして食べると美味です。花はヨーロッパでウェディングフラワーとして有名です。香りも良く形も愛らしいのでポプリの材料に最適です。葉の香りも良いので、剪定してすぐの枝をそのままリースにしておくと良いでしょう。

マートルの葉には収れん作用や消毒作用があり、尿路疾患や婦人科系の疾患治療に利用されています。痔や歯周病・傷薬としても効果があります。

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